アーカムブックスブログ

アンビエント・ドライヴァー

はっぴいえんどをはじめ、ティンパンアレー、YMO、スケッチショウ、東京シャイネスと、常に日本の音楽の第一線で影響を与えず続けている氏の1995年～2006年までの自己省察をまとめた貴重な一冊。
自身の精神病闘病記あり、マックのOSの話あり、UFOの話、そしてタイトルにもなっているアンビエント音楽についてなど、細野晴臣の素に自身がもっとも迫った一冊。
数々の傑作は彼の日々のどのような精神状態と思考の中で生み出されたのか？
読みやすいだけに気づけばドップリ彼の世界。
アンビエント聴いてみよ！　山口D

鉄人ガンマ/山本康人

スーパー「コーダ」精肉部門主任、丸麻照男は、鋼の肉体を持ちながらも、極度のアガリ症の為に失敗を繰り返す中年男。そんな彼が最愛の妻オシリーナの助けを得て、「強い男」へと変わってゆく愛の物語！

「私は変わりたい！」と誰もが一度は持つ願望を、暑苦しくも、超純粋な「愛」で叶えていくというこの作品、読んだ後は、単純にメチャメチャ前向きな気分にさせられます。本当に一生懸命なガンマの行動の一つ一つが愛らしく、思わず笑ってしまうのですが、やはり「これが正しい！」と突き進んでいく人間の姿は美しい…(本当に正しいのかは別として。)

それでも、「世の中、結局金やで～」なんて台詞が、これを読めば「小っさ！」と大人の意見で思えるような、そんな漫画です。

永井

最後に見た風景 イマジカオル

あなたはどういう死にかたをしたいですか？
イマジカオルがＵＡ，夏木マリ、長谷川京子等十一人の女優たちに問いかけた、シリーズ第四弾。
女優たちが、こんな場所で、こんな服を着て、こんなかたちで…と答えたのも元に場所を探し、衣装を選び、設定を考える。
そうして丁寧に作り込まれている写真集。
本の構造も意識的にページをめくらないと見えない造りになっていて、想像する前に見えてしまうような事がなく、緊張しながら次へと進めるところも嬉しい。
特に井川遥の死体は美しい。王子店店頭には立読み用にも置いてあるので是非見てください。ディオール、サンローラン等の衣装も素晴らしい。　山口D
モデル
板谷由夏、タニア・ドゥ・ウェーガー、夏木マリ、ua,井川遥、ともさかりえ、富永愛、長谷川京子、小池栄子、加藤あい、中島美嘉

舞姫～テレプシコーラ～

昔から少女漫画はおろか、女性作家さんの作品さえあまり読まない僕がまさかバレエ漫画にはまるとは…そう、ダヴィンチ誌上で、第一部完結を迎えた「舞姫－テレプシコーラ」です。

バレエという華やかにも過酷な世界の中で、少女たちが、「今夜この舞台で誰よりも輝いてみせる！」というその一点においてのみ.、命を注ぎ込む様が尋常じゃなく、血が沸きましたよ！安易に、愛だ恋だのに走らん姿勢みたいなのも頼もしく、女性独自の「ギラギラ感」が見れたような気がしました。

もちろん、僕はバレエに関しては全くの無知ですが、ウンチク以上に内容のある作品なので、同じようなバレエ知らずの人にもオススメします。

永井

板尾日記/板尾創路

ダウンタウン世代にとっては、まさにスーパースター的異才、板尾創路の初著作、「板尾日記」。

その内容ですが、タイトル通りの紛れも無い「日記」。2005年の1月1日からの365日の生活を、「今日何時からどこそこで仕事」というように、本当に淡々と書き記したもので、あの予想不可能な板尾ワールドはここでは見受けられず、意外にもほのぼのとした異才の日常が描かれています。

ただ、僕がこの本で最も感動したのが、随所に収録されている彼の自作詞。あの「東京コミニュケーショ～ン」で日本中を爆笑させた彼の「本気詩」はマジでレベルが高く、もちろん含み笑えること間違いナシ！

「雨が降ると　甲は乙に対して　乙が考えている以上のことをするだろう」
「傘」より

永井