温泉観光名所、「城之崎」に来たはずなのに、こんなさみしい場所にばかりに辿り着いてしまうのがいわゆる「俺クオリティ」なのか。
でも城之崎はめっちゃ良かったよ。
昼間は普通の温泉街が、夜中になるにつれて、
町往く人の着物率が90%を越え、下駄の音が響き渡る町へと変わる!
かくいう俺も着物を着ましたよ。
何を着ても似合わん俺だけど、着物だけは似合ってたに違いない。
まあ、例によって「働いてなさそう」とか「ロクでもなさそう」とか言われたけど。
あと、周りのお土産屋なんかに便乗して、夜の十時まで開いている古美術屋とか
若者が集まるもっともナウでホットな遊び場、スマートボールと射的場とか
(次の日に誰もが、「俺は昨日なぜあんなにスマートボールに熱くなったんだろう…」と思うに違いないのに。)
そんなタイムスリップしたような町で、アイスクリーム屋なんかに入るといきなり三宮ら辺の店みたいだったり。
こんな風景を眺めながら、若干アテられ気味でボーっとなっているその時、俺の携帯に見ず知らずの番号から着信アリ!
もしもし、って出るといきなり、「おー!やっさん?俺、俺!○○○!」と威勢のよい若者の声。
「え、間違いじゃないですか?」と何度もいうのに、その主は「やっさん?おー、俺!俺!」と全然止めようとしない。
その時なぜか、ふと
(ああ、俺を含めてここにいる着物の人たちはホントはもうみんな死んじゃってて、俺の携帯番号ももう今は違うどこかの「やっさん」なる人が使ってて、それが何かの手違いであの世へかかってきたのかなあ…。)
とか思ってしまった。なんか町全体がそんな感じだったのですよ。
でも、後でよーく考えると、もしかしたらあれってオレオレ詐欺の可能性もあるんじゃないか?
もしそうならあのタイミングでオレオレ詐欺とか、そっちの方が素敵すぎるわ。