1冊目は「ディアスポリスー異邦警察ー」。リチャード・ウーという脚本家(日本人のようですが…)とタッグを組んだ今回の新作、舞台は近未来の東京で、外国人の不法滞在者が増大し、混沌とした街に起こる犯罪を、若き都事「久保塚早紀」(男)が解決してゆく、という一見ありがちなお話ですが、やはり「底辺に棲むメチャメチャな人々」を描かせたらピカイチなすぎむらしんいち、決めるところは死ぬほどカッコよく決めてくれる手腕も健在で、見事にシビレさせてくれました。
また今回、「どこにも属せない、帰れない人=異邦人」がテーマということで、何やら深刻な展開が待っている雰囲気…非常に楽しみです。
2冊目の「スノウブラインド」は、以前に刊行された「ALL NUDE」に新作2話を追加収録した短編集。この表題作「スノウブラインド」が絶品!
「塾に行かなくちゃ」と、下半身まで埋めつくす雪景色の中を歩いている少年、その少年に「落とし物を探してくれ」と頼む謎の美女。協力して「落し物」を探し始める二人に待つのは…
雪画面の「白色」を絶妙に使ったラストは圧巻の一言。やはりこの人は映画を撮るべきだっ!と思わず拳を握り締めながら読んでいましたよ。
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