タイトルに惹かれてなんとなく読んだ手塚治虫のこのまんが。とりたてて斬新なところがある訳ではないけれど、かなりよかったです。
他人を模倣する能力に長けた女性がマスコミを利用しつつ成り上がってゆくさまを描いています。
作品紹介文には「女優、デザイナー、そして芥川賞作家と、まるで昆虫が脱皮をくりかえすように次々と華麗な変身を続ける女、十村十枝子。はたして彼女は神が作りあげた天才なのか、それとも!? ヘビのように貪欲な女の執念を描く野心作!」とかいてありましたが、へびのように貪欲なのは女だけじゃなく、人間みんなそうなわけで、彼女をとりまく人々も同じ。だから、彼女は自分に寄って来る男性をうまいこと出し抜いて、利用して“華麗な変身”を遂げてゆきます。
誰もがうらやむ才女として有名になっても、誰も信じられない。誰も愛せない。
なんだか読んでて人生せつなくなるお話です。
またラストが映画的でとても秀逸。
なんだかわたくしは某ゴージャス姉妹のことを思い出しました。 こさか
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