『“素晴らしい世界”から一歩ふみこんだ世界。』
新興住宅地で日当たりの良さから「ひかりのまち」と呼ばれる地域。住民たちも経済的に余裕のある人たちで、はたから見れば幸せそうに見える。ところがそれは上辺だけで実際は問題だらけ。そんな「ひかりのまち」を舞台にしたオムニバスストーリー。
素晴らしい世界と同様、微妙にストーリーがリンクしあって、第三者だった人物が主題となって物事が始まったりと、様々な人物像が楽しめる。特に第四話の犯罪に手を染めながら金を稼ぐ男の話が、個人的にグッと込み上げてくるものがあった。
「ひかり」のあるところには、必ず「かげ」ができる。目に見える光景はきれいでも、その光景ができるまでの過程は酷いものだ。そういった上辺の美しさは、時に非常に残酷な面影も併せ持っている。「ひかりのまち」はもしかすると、あなたの「まち」かもしれない。
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