”奇跡のヴァイオリン”と呼ばれた名器中の名器、「ストラトヴァリウス」。
それは天文学的偶然が重なりあって生み出された楽器であり、再生産は不可能だとされていましたが、これに限りなく近いヴァイオリンを創り出すことに成功した朝鮮人、 陳昌鉉の生涯を山本おさむ氏が描いた傑作がこの「天上の弦」。
第二次世界大戦~朝鮮半島南北分断と、彼が生きた時代は激動そのものであり、ヴァイオリン製作などまっとうな人間のする仕事ではないとされていたにも関わらず、なぜか天に導かれるようにその道へ進んで行く 陳昌鉉。
山奥の飯場で肉体労働者に紛れ、夜な夜な一人独学でヴァイオリン作りに励む彼の姿は本当に凄まじいものがあり、涙が出ます。
心の奥底からやりたいと思うことに対して、環境や才能なんてたいした問題じゃない、とこれを読んで改めて強く実感しましたよ。
永井
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