紀元前、アレクサンダー大王が活躍した時代。
この世紀の大王に書記として仕えた史実上の人物
「エウネメス」がこの物語の主人公。
彼が幼少の時代から物語は始まる。
寄生獣で現代SFを描き七夕、雪の峠・剣の舞で
日本史を舞台にし、次に舞台としたのは
紀元前の地中海文明。
しかし岩明均の世界観はドコに行っても普遍である。
相変らずの「三白眼」がゾクゾクする。
・刀で人間の体をスパっと真っ二つに切り裂く。
・人の皮をはいで防寒グッズにしてしまう。(いや、見せしめか?)
・宦官からの逆襲を受けて性器を切り取られてしまう豪族のボス。
・家臣が王の命令にそむいたため罰として、我が子の切り刻まれた肉を食わされる。
そう岩明均は危険な作家なのである。歴史的抒情詩でカムフラージュ
されているが彼は確信犯です。
猟 奇 的 な 人 の 死 に 方 。
寄生獣でもあまりにも大きなテーマで隠れてしまいましたが
彼のアナーキーぶりは山野一にも匹敵するパワーを持ち合わせています。
しかし
「しょせん人間なんてはかない生き物。
宇宙の歴史に比べるとちっぽけなもの。」
そう思わせるパワーが彼の作品の持ち味なんですね。
寄生獣以降、大きな作品を書いてこなかった彼ですが、今回は期待大です。
1巻から丁寧に掛かれています。大傑作の予感。読んで~!