言わずと知れた荒木飛呂彦氏の短篇集「死刑執行中脱獄進行中」。
ちなみに僕が「ジョジョ」で一番好きなのが第4部なのですが、これはその面白い部分をぎゅ~と詰め込んだような感じ。
鉄塔から降りられなくなった男の話だの、ひたすらイタリア料理を食う話だの、街中の小銭を拾い集める話だの、そんな「ど~でもいいアホなこと」を、当時のジャンプ連載の中で確立されていた「主人公が格闘で敵を倒すシリアスなジョジョワールド」から、振り切って描いていったことにより、完全な独自の世界へと踏み込んでいく「瞬間」と「熱」を、とても実感できる短篇集。
特にオススメは、ジョジョ4部のラスボス的な殺人鬼「吉良吉影」が主人公の話、「デッドマンズQ」。
僕はこいつが大好きで、もう!!主人公達から逃げ回り、こそこそ人を殺す、という「こいつがラスボスってどうよ?」みたいな、何ともイカした悪者だった本編とは変わって、死んだ後に幽霊となった彼が活躍する話なんですが、これがまたカッコイイ~!
とにかく表紙からタイトルから内容まで、これぞ「漫画の理想」といってもいいくらいの雰囲気を持つ1冊。
永井
コメント