長らくお待たせしましたアーカムの新サービス「買取28号」リリースしました。
http://www.arcam-b.com/k28p/
アーカム、アマゾンのデータを多角的に計算し、本、CD、DVD、ゲームなどの買取額を自動算出し、提示する仕組みと、その買取した商品を簡単にアマゾンにアップロードする仕組みを有してます。
要は中古商品の買取・販売システムですね。(WEBサービスの。)
この28号を新刊書店さんに使ってもらって古本を扱うことで利益率の改善に役立てていただきたいと思ってます。
また、すでにWEBで販売していらっしゃる古書店さんには、より使いやすい買取・出品システムとして進化させていきます。
10年前、小さいお店でしたが自店アーカムで古本併売を始めた際、絶版品から最新刊まで棚にごちゃまぜで取り揃えた結果、粗利益率が20%ほど増し、新刊の売上にも貢献したデータがありました。いわゆるパウエルズブックスのはしりのようなお店でした。
あれから10年。古書併売のお店、ネット系古本屋など本を販売するチャンネルというものは、マンガ喫茶、レンタルコミックを含め10倍以上になったといわれております。
パイの奪い合いの中、書店業界はまったなしの状態です。僕が考えるカイゼン計画の第一は利益率の改善だと思います。
で、その次に控えているのは、脱本屋路線とWEB化だと思ってます。
中小の書店が自分たちの理想の本屋を取り戻すためには、本の利益率を補う商材と販路が必要なのです。ヴィレッジヴァンガードはそれを雑貨に求め、ジュンク堂は専門書に求めました。
アーカムではWEBに活路を見出し、全国から集まる中古商品と格闘しております。
脱本屋の意味は、「本以外の商材」を見つけましょうということです。
小さいお店なら、店主の趣味やコダワリ品などから派生した本や商品。
中堅どころははやり雑貨の導入でしょうか。ヴィレッジを研究し、中古を織り交ぜた商品の幅で対抗するといった戦略はどうでしょうか?もしくは28号のシステムの延長には、雑貨や家具、玩具などの買取まで視野にいれているので、総合リサイクルへの道もあるのだと思います。
また、本屋の集客力を生かして、広告スペースの提供や店内イベント会場などの貸出など場所貸しビジネスなどもありかもしれません。ここでも「本」以外の儲け方の可能性があるのです。
本を売り買いする事だけが本屋ではなく。情報の担い手としての意識を取り戻し、扱う商材については今までの商習慣をリセットして、考えるべきだと思います。
また、世界のEC化率(ものをネットで買う比率)は年々上昇していきます。伸びている市場で闘うという経営の基本に従えば、WEBへの参戦も必要になってきます。
さらにこういった記事も。
電子書籍が、紙の本を超えるのは欧米の出版関係者の多くは2018年あたりではないかと予測しております。この先10年後まではゆるやかに紙の本(プリントメディア)は減少していき、18年前後に急速に萎んでいく可能性もあります。
そういうパラダイムシフトを迎えている出版ビジネスのなか、書店も商売自体の構造を変化させていかなければ、あと10年で確実に「産業」と言える規模を保てなくなります。
ネットを中心として進んでゆく、コンテンツのデジタル化に巻き込まれてしまう最後の犠牲者は「本」です。
それに流れにそって死んでいくのも良しですが、僕たちはまだ30年以上もビジネスに携わらなければいけない30代です。10年やそこらで書店ビジネスが死んでしまっては困ります。
だから、アーカムとしてできることは、28号を軸として、さまざまな書店再生メニューやノウハウを積み上げていかなければいけないと思っております。勝手に責任重大な気持ちでいっぱいです。はい。
それと応援金。
これは正式には作家応援金といい、出版社などでなく、古本収益の一部を作家に直接還元したいと思っております。
28号計画着想時は出版社や関係者にも還元できる仕組みを考えておりましたが、基本的に、書店さんから出るお金ですので、やはり、作家さんにもプラスになり、かつ書店の販促などに役立つような使い方が現段階ではベストなんではないかと思われます。
作家と書店をつなぎ、「出版→取次→書店」といった既成概念にとらわれない、新たな創作活動や新たなマーケットを創造していくよう活動してまいります。
こういうことを考え出したのが、2005年ぐらいでしたので、足かけ4年、迷いながらですがシステムは完成しました。
ここまでたどり着きようやくスタートラインに立てたところですが、困難は山積みのようです。
逃げようとおもえば逃げれますが、10年前の僕に嘘をつくことになりますので、歯を食いしばってすすんでみます。
業界の淘汰と再編とニューウェイブの登場。パラダイムシフトの渦中へ進みたいと言ったのは自分の意志です。
なにか真理をつかんで、じじいになったとき「あー仕事したなー」って働きマンのセリフみたいなことを言ってみるのは夢になってきましたw
おしまい。
来週から書店さまのお店へ訪問攻撃させてもらうやもしれませんのでよろしくです!
PS ちょっとこれからは緩めの記事もいれてきます。