先ほど、インターネットの成熟期での本屋の未来を自分なりに推測したものをエントリしました。
次は、本そのもの。特に僕の守備範囲ですと、漫画家さんを意識してしまいますが。
デジタル化が進むということは容易にコピーが可能になるということです。
たまたまCDやDVDがもともとデジタルでコピーしやすかっただけで、本もデジタル化するとあっという間にコピーが増殖します。DRMなんてはっきり言って何の役にも立ちません。あ、あとこんな記事も。
音楽違法コピーには、タダでも勝てない
http://jp.techcrunch.com/archives/even-free-cant-compete-with-music-piracy/
音楽も本も一緒だと思います。たしかに画面で文字を追いかけるつらさは理解できますが、「タダでしかも、かさばらない」なら話は違いますよね。読みます。
こうなってくるとそもそも作家が商売として成り立たなくなり、漫画家を目指す人も減りますよね。いくら描いても儲けにならないところで読まれるわけですから。
なので、僕はこの解決方法は、前のエントリで書いた「モノビジネス」への権利販売だったりするのもひとつですが
もうひとつが
つながりをビジネスにするということだと思います。
僕がメンターにしてる伊藤穣一さんの記事。もう僕のブログにも何回も登場していますがw
「コピーされ、2次創作されてこそ売れる時代」――伊藤穣一氏に聞く著作権のこれから (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0804/15/news092.html
もう、コンテンツは無料化する前提で話をしましょうよということです。コンテンツを広告として考え、ライブやグッズで利益を上げる。というのが今のコンテンツビジネスにおいて、間違いない鉄板の考えだと。
ただそれだけでは今までの収益を確保できるのかどうかわかりません。
作家さん、書店さん、ユーザ。このあたりが直接つながってくるとき、新しい仕組みが開けると思います。
1
書店さんと作家さん。これは28号で提案した応援金というものがキーワードで考えてます。書店さんから、ビジネス上のお金のやり取りを作家さんとする。書店が作家にこういう風に自社の販促をしてほしいという要望もたくさんでてくると思いますのでそれとバータで応援金として提供してもいいのではないかと思います。
書店人は皆本当に本が大好きです。「傷だらけになりながらもなぜあなたは書店を続けるのですか?」という質問に「本が好きだから辞められない」という答えが少なくないと。
一評論家としても書店のスタッフは目が肥えてますし、何よりお客さんと対面で向き合ってるので、そういう意見交換から生まれる作品があってもいいのではないでしょうか?
今まで作家さんは書店とは、出版社、取次ぎ越しにしか、つながっていなかったわけですから新しいアイデアも発見されるかもしれません。
いろんな化学変化が生まれてきてほしいです。本屋としての自分の立場としても。
特に古本屋さんは作家さんに対して後ろめたい気持ちはあります。
そういう思いを解消するためにも「つながりたい」という気持ちは大きいです。
また、知人の意見で応援金をファンド化したらどうだろうか?という意見もありました。ま、この応援金についてのルールは誰か一人二人の意見で決めるのでなく、作家さんと書店さんが直接話し合いながら、ルールを決めていければいいと思ってますので、今そういうMLを作ろうと考えてます。
そこで、双方のメリットがなく結局うまくつながらないないならそれまでかもしれません。
そもそも28号という仕組みなんて必要ないじゃん!っていう結論になってもそれは受け入れます。(もちろん、うちは(迷いましたが)営利企業なので、できるだけそういう仕組みの上に乗っかりたいですが、これは作家さんと書店さんに下駄を預けようかと思います。)
2
ユーザとのつながり。これも応援金と同じく「パトロン」「投げ銭」みたいな仕組みと双方のメリットがあれば成立するはずです。
「俺を漫画に載せてくれ!」とか「最終回を俺に考えさせてくれ。」とか無茶な要望が一杯でるかもしれませんが、そこはまた相談するとして。
2次創作もユーザと作家のつながりではありますが、それに課金などの仕組みを入れるのは僕はあんまり乗り気ではありません。インターネットの特性を潰してしまう可能性ありなので、これは容認して現状のまま遊んでもらえるのがいいんじゃないでしょうか。
そういう遊びの場を提供することによるトラフィックの確保や宣伝の場に使えればいいんじゃないんでしょうか。
まとめると
本のデジタル化が始まると同時にコピーも増殖することを認めた上で、その次の収益のモデルを当事者一人一人つながることにより考えましょう。
こんな感じです。
コメント