新刊書店に28号を導入する際、一番厄介というか、思案しなければならないのが取次さんです。(厄介という言い方は失礼ですね。)
28号導入は古本を扱い書店の粗利を向上させるのが目的なのですが、新刊と併売して、集客も見込め利益を取るためには、取次さんから新刊もいつもどうり納めてもらわなければなりません。
新刊あっての古本。僕はアメリカのパウエルズブックスのような本屋さんを理想と思ってます。
新刊も古本も併売しつつしかも、棚の陳列も区別せずごっちゃにおいてます。
Amazonが2002年(だっけ)にマーケットプレイスを開設してから日本で急成長したのを見るにつけ、ほしい本を古本、新刊両方から選べる仕組みが顧客のニーズにどんぴしゃマッチしたんだと思います。
他の書店も、リアル、バーチャル含め、Amazonのスタイルでこれからは本を売らんといかんのです。すでにそういうサイト(Amazon)があるわけですから。
ただし、リアル書店で売る場合、何個か問題点がありますがこれが一番大きいのではないかと思います。↓
●ごっちゃに売ることで、返品に古本が混ざる可能性がある。
問題の当事者は取次さんです。
これは併売の一番の問題かもしれません。併売することで、古本を新刊と偽って不正に返品をする可能性があるという主張です。
古本と新刊の区別はスリップがあるかないかしか見た目区別できません。
10円で古本を買取して、スリップ突っ込んで返品してしまえば、お客に売らなくとも、儲けることができるぜ!というよからぬ本屋も出てくるかもしれません。
ただ、これは信頼関係といいましょうか、モラルの問題のような気もします。間違いで新刊の返品に古本が混ざることはあっても、故意に返品してしまう本屋であれば、どっかからきれいな古本を買ってきて、スリップ突っ込んで返品することも可能ですので、実際には防ぎようがない事です。
タグや独自バーコードの張り付けなど、方策はないこともないですが、多大なコストをかけると、双方利益が吹っ飛びます。
時代の流れはもう併売おっけいの時代。というかそうでないと本屋は生き残れません。なので、信頼関係を重視して、ここは取次さんに、返品に関しては双方のチェック体制を強化して、しのぐ方向は模索できないかと思ってます。
事実アーカムでは10年併売してきましたが、返品に古本が混ざったのは3冊程度でした。
スタッフに店での一番大事な仕事は返品時の古本チェックだということを口を酸っぱくして言ってきたからからですが。
ただ、併売導入に関して、取次さんにもメリットがないといけないと僕は思ってます。
なので、
正味価格(卸価格)の変更
返品率の規制
この2点を併売導入時に書店と再契約してはどうでしょうか?
出版業界で(特に新刊流通で)問題になっている返品率を規制するかわりに併売を許可する。
また、利益率の高い古本を扱うわけですので、新刊商品の粗利を若干低くする代わりに併売を許可する。
この2点をDJのミキサーでいう縦フェーダと横フェーダのように微妙に調節しながら、取引しバランスを双方協議してはどうでしょうか?
双方にメリットがでてこそ、長続きするものだと思ってます。
今、フタバ図書さんなんかでも併売の取り組みをしておられますが、古本コーナーと新刊コーナーは別です。これはお客さんにはあまりメリットがないように思われます。
売れる本棚は新刊、古本ごっちゃの棚です。
一度検討してみてもいいのではないでしょうか。