以前、某ショッピングモールで出くわした書店。
この書店の中には雑貨屋さんとCafeが同居してました。
ネット書店での奮戦記が多いこのブログですが
アーカムは店舗も持ってます。
で、両方を運営していて感じることは、店頭ってどんどんダメになってきてる。
っていうのを感じるんです。
うちは店頭では中古と新刊を両方扱うスタイルですので利益率が高くなんとか、やっていけます。フェアや、良質の本をセレクトするコスト(人件費ね)も利益率が高い分だけ、かけれます。
そんな中、ほかの本屋さんはどうなんでしょう。
WEBで本がどんどん売れる中、リアル書店経営者はどのようなヴィジョンを持って運営しているのでしょうか。
実は街の本屋さんはおろか、大型書店でも売上減の解消に具体的な案は持ち合わせていません。
WEBと比較してレビューの数が多いわけでもなし、家まで配送してくれることもありません。店頭で実現できないことがすべてWEBで出来てしまってます。
しかも、WEBでは自分にあったレコメンドを一人一人表示してくれます。店頭での唯一の強みだった、立ち読みも理論的には可能ですし、実際に実現してきています。(Amazonのなか見検索とかですね。)
以前のカンブリア宮殿に登場したジュンク堂書店の工藤さんも、Amazonは脅威に思っているらしくそういったコメントを村上龍の質問に返答していました。
実際にAmazonに勝てる術を持っていないのです。(もちろんどの書店も)
こういう状況ですが僕は書店の集客力に注目してビジネスモデルを転換させてあげればどうかと思うんです。
で、そのモデルが、書店の中の広告ビジネスや、こういった場所貸しビジネスだと思います。
今回掲載した書店はどうやら雑貨運営は自社でしてるみたいですが、集客のある書店の一部を他社に家賃取って貸してあげればいいと思うんですよ。
もしくはスポットで月単位での広告展開。
立ち読みしにくるお客さんも、なにか情報を得ようとして本屋にやってくるわけです。移動中に遭遇する看板とかとは情報の吸収力も違うはずです。本の種類に合わせて広告主の商品やサービスを陳列、展開できれば非常に面白い空間になるんじゃないでしょうか。
例えば
・旅の本の傍に旅行カバンの現物の展示スペースを作ってあげる。書店で即、販売するなら売上の20~30%を書店がマージンとしてもらう。
・販売しているショップのアクセスマップや、フェア情報などを掲載したPOPを展開する。
こんな感じで地域のお店と本屋さんがコラボレーションすればどうかなと思うんです。
問題点としては
・編集スタッフが必要。
・営業スタッフが必要。
・地域の広告しか取れない。
このへんなんですけど、クリアできない問題ではないと思います。
コンバージョンをしっかり計って、広告掲載費を決めればいいんじゃないかと。
近い将来すべて本はデジタル化され、本だけを売っているリアル書店は必ず行き詰まりが来ることでしょう。
しかし本は情報ソースです。そこにうまく広告をのっけてあげることが出来ればなんとかなると思います。
書店の集客力を使っての展開と本自体の販売からの脱却。
これがミソなんだと思います。これからの書店経営は。
つらつらと思いを書きましたが実はこれって僕が起業するときにこういう本屋をしたかったんですね。
ヴィレッジヴァンガードを見て本屋やりたい!って思いましたが、同じじゃ面白くない。じゃあ、雑貨は自社で扱わず、他のお店とコラボレーションして展開しようと。
もう10年前の考えですがこれもまだ色あせてはないアイデアです。誰かお金出してくれないかなあ、このアイデアに。